私の愛したブラジル … その1
1989年から1994年、ブラジル・サンパウロで暮らした5年間は、私のこれまでの人生観を丸ごと変えてしまったといっても過言ではないと思います。

当時5歳と9歳の息子を連れて、25時間の飛行機の旅…その日から始まる未知への不安。
今のようにPCが一般家庭に普及していたわけでもなく、やっとfaxが知られるようになっていた時代。サンパウロの主人のもとへ国際電話をかけても、雑音がひどく良く聴き取れないような時代。
そんな頃でしたからブラジルについての本を読みあさっても、とてつもなく遠い世界の事のようで、私の不安は解消されるものでは有りませんでした。

サンパウロのグアリューロス空港に降り立った時、空が低いと感じました。変な表現かもしれませんが、25時間ぶりに外に出て空を見上げた時、「あ、空が低いなぁ」と思いました。それは多分広大な土地のせいかもしれません。

まだ見ぬ我が家へ向かう車の中からのサンパウロの景色は、何もかもが驚くものでした。
お世辞にも綺麗な町とは言えません。
落書きだらけ、道路のあちこちに陥没した凹みがあり、走る車はどれもいちように汚いのです。

「ここで本当に暮らせるのかな?」私の中の不安が更に大きくなっていきました。
※ 「私の愛したブラジル その2」 につづく・・・・・
24/03/2001