私の愛したブラジル … その2
サンパウロ市内のパウリスタ大通りのすぐ傍、23階建の19階が私達の住まいでした。

駐在員の家庭ではごく当たり前のことなのですが、メイドを2〜3回/週 雇っていました.我が家もご多分に漏れず2回来てもらって、掃除・洗濯・アイロンかけを頼んでいました。今では私がメイドのようなもの…

最初のメイドは「マリア」といってすごいおばあちゃんでした。あんまり働かせて倒れないかと心配したくらいです。2年ほど家で働き、引退して田舎でのんびり老後を過ごしたいと言って辞めてしまいました。
二番目のメイドは「サンタ」というのですが、なんだか二人合わせてクリスマスみたいですよね。こちらは元気一杯で3人の子の母、いつも何か欲しがっていましたっけ…

帰国が決まって片付けをしている時、日本製の積み木をお餞別代りにあげたら、とっても喜んで持って帰りました。
ところがサンタがそれを持って帰ったすぐ後、私が買い物に出かけて大通りを歩いていたら、道端で見知らぬ子供が全く同じ積み木を売っているではありませんか!

 わが目を疑ってしまいました。私としてはかなりショック!

  帰国して7年が経ちましたが、アイロンかけをする度にメイドの顔を思い出します。
日本に居たら天地がひっくり返ってもメイドを雇うような身分ではないので、贅沢な経験が出来たと思っています。

サンパウロで暮らすまでそのあまりの遠さに心細い思いで一杯だったのですが、簡単には帰れない遠い距離ゆえになんとかその土地に慣れようと頑張れたのではないでしょうか。
※ 「私の愛したブラジル その3」 につづく・・・・・
24/03/2001