初めての孝行が・・・


1991年7月、第一回目の一時帰国では、ニューヨークへ立ち寄った後日本に1ヶ月ほど滞在しました。
その間、子供達は近くの小学校へ体験入学をさせてもらいました。

長男は、赴任前に在席していた学校なので旧交を深め、サマースクールにも参加しそれは喜んでいました。

一方次男にとっては、初めて通う日本の小学校です。
一人で登下校するのも初めてなら、給食を体験するのも初めて。

本人より親の方が不安が大きく、幼稚園時代からのお友達に「よろしく、お願いね…」などとわざわざ訪ねて行ったり…オヤバカもいいところです。

私はというと…友人に会ったり、買い出しに走り回ったり、何だかとっても忙しい日々でした。




サンパウロへ戻る時に主人の両親を連れて帰りました。
旅慣れない両親にとっては、24時間近い飛行機の旅はさぞかし大変な事だったと思います。

サンパウロには2週間ほどの予定でやって来ました。
その間、このページで既に紹介しました「イグアスの滝」「リオ・デ・ジャネイロ」「サントス」などを観光し、その合間にゆっくりサンパウロ市内を案内...と言っても、ほとんど私の日常の買い物に付き合せてしまったような形でしたが…
イピランガ宮殿にて両親
旅行をする暇もないほど働き続けてきた義父にとって、地球の反対側まで旅に出るとは、よもや思っていなかったのではないでしょうか。
清水の舞台から飛び降りるような心境でこの旅を決心したのではないかと思います。

それから数年して、義父は病気で逝ってしまいました。
病床を見舞う度に、「ブラジルは楽しかったなぁ」「ブラジルに行って良かったょ」と…とても懐かしんでいるようでした。
その瞳の奥で、きっとあのサンパウロの家やイグアスの風景を見ていたのだと思います。
ブラジルに来てもらった事が、最初で最後の親孝行になってしまいました。




こうしてブラジルの生活も3年を過ぎようとしています。
今までは何もかもが初めてで言葉もままならず何となく緊張していましたが、3年を過ぎると余裕が出てきます。
生活を楽しむ事を覚えます。

さあ……ここからが、楽しい 楽しい 駐在生活〜〜!!!
03/08/2001