異文化に接して…

アジアへの旅行はあまり多くありません。ましてや、イスラムの国は未知の世界でした。

完成からまだ間もないピカピカのクアラルンプール国際空港に降り立ったその瞬間から、イスラム国家であることを気づかされたのです。


全身を真っ黒な服で覆って、頭からすっぽりこれまた、真っ黒なヴェールをかぶっている女性達。
肌はどこも露出していません。見えるのは薄いヴェールの向こうの二つの目だけ。

テレビのニュースなどでよく目にする典型的なイスラム女性が私の横を通り過ぎて行きます。

見ないようにと思いながらも、ついつい視線は彼女達へ・・・。

しかし 街の探索に出かけてみるとそのような服装は極端で、きっと厳格な宗派なのでしょう。
大方の女性達はせいぜい頭髪をスカーフで覆っている程度です。

そのスカーフですが、色や柄が色々で、結構流行があったりするのでは…と思いました。
それと、スカーフが頭からズレ落ちたりしないんです。 
どうしてかな…? 
と思ったら首のところにファスナーが付いていて、それでしっかり留まっています。
そしてそのファスナーには小さな飾りが付いています。それを選ぶのも楽しみの一つでは…?



イスラムでは一夫多妻で男性は妻を四人持てるというのは有名な話ですが、 それって現代でも通用しているのでしょうか。

ある記事の抜粋ですが、
「ムハンマドがメディナに移住した初めの頃は、イスラム教対メッカの戦争などでムスリム(イスラム教徒)の男性の多くが戦死しました。
結果、未亡人がたくさん出現した。残った男たちに、彼女たちの生活の面倒を見させるために一夫多妻を認めた…というのが四人の妻を認めた理由です。
ムハンマドとしては女性を保護するためだったらしい。」

このような理由は少しは理解できるかな?
ウ〜ん・・・でも、やっぱり!



彼らの生活のすべての面がイスラム法、コーランに基づいています。
一日5回の礼拝。
この礼拝について、今回の旅であることを知りました。

ホテルの部屋の天井の隅に矢印がついているのです。
最初のホテルでは大して気に留めなかったのですが、2番目のホテルでも同じ印がありました。
それで、ハタッと気づいたのです。もうお気づきですよね!
その矢印、メッカの方向を指しているということです。
礼拝の時間になるとその矢印の方向を向いて拝むのでしょう。

そう言えば、旅行者向けに「メッカ探知機セット」が売られているという話を 以前聞いたことがあります。



公共の場では男女を一緒にしないのがイスラム世界では一般的なのだそうです。
マレーシアあたりではさほど厳しくはないかもしれませんが、 独立記念日の街には女性達の姿が殆どありませんでした。
見かける女性達は大方が観光客です。

男性ばかりがたむろしています。
その男性達、4〜5人のグループで歩いています。
その人数といい、手ぶらで歩く姿といい、みな一様に同じなのです。
そんなことも今回の旅の発見でした。



どこを歩いていても、信仰を持つ人々の世界であることを実感しました。
この地球上で宗教による戦争が慢性的に起こっています。
しかし、心の拠り所とするものが人それぞれ違っていても、 それによって戦争があってはならないのです。

08/10/2003