バァーバとジィージ
2007年の夏休暇は、マレーシアのボルネオ島「コタキナバル」に出かけた。
成田から直行便でわずか6時間。
手軽に行けるリゾート地として今注目を集めている。

2年ぶりの海外旅行なのでちょっと浮かれ気分。
開放感を味わいたくて、数枚の夏服も用意した。
少しでも若々しく見えるように、それなりに努力した。

成田は夏休みのピークにはまだ早いせいか、それほど混んではいなかった。
サテライトで主人と並んで座りながら搭乗のアナウンスを待っていた時だ。


3歳くらいの男の子がチョコチョコっと小走りで私たちの正面に座った。
そして唐突にこちらを指差して、言った! 「バァーバとジィージ」

一度でいいのに二度までもはっきりと大きな声で、「バァーバとジィージ」

主人が「何ィ!」っと睨みつけた。

そこへ駈け寄った母親が「失礼よ」と子供を諭す。
「ショックだわ」と愛想笑いをする私・・・

ほんとにショックだわ!

もしかして顔が引きつっていたかもしれない。

その子供は母親に連れられてどこかへ消えていった。
私の耳には「バァーバとジィージ」の声だけが残った。

それから搭乗までの間ひたすら考えた。
息子夫婦に子供がいれば確かに「バァーバ」かもしれない。
確かにそう言われてもおかしくない年齢だ。
他人から見たら、そう見えるのだろうか?

でも、私はまだ「バァーバ」じゃない!

それなのになんで見ず知らずの子供に指を差されて
「バァーバ」と言われなければならないのだ?


私の心の傷はまだ癒えない・・・ショック!!
22/07/2007