四季・今どき…

きぬかけの路…京都

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2008年9月中旬 まだ残暑で汗ばむほどの日に大阪を出発して京都嵐電北野線に乗り、「きぬかけの路」を」歩くことにしました。
街中を走る嵐電電車にゴトゴト揺られて、御室仁和寺で下車。そこから古寺めぐりの始まりです。

「きぬかけの路」は、衣笠山の山裾を金閣寺から竜安寺を経て、御室仁和寺へと続くおよそ2.5km の道を指します。
この「きぬかけ」というなんとも響きのいい呼び名は、一般公募から名付けられたものだそうですが、その由来は仁和寺を開山された第50代宇多天皇が、真夏に雪見を思い立ち衣笠山に白い絹を掛けられたとの古事からきているそうです。
この呼び名に誘われて、歩いてみました・・・
きぬかけの路
きぬかけの路



どうも歩き方を間違えてしまったようです・・・。金閣寺からスタートして仁和寺へ向かえば下り坂を歩けたのに、反対に仁和寺から金閣寺へ向かってダラダラの上り坂を歩くことになってしまいました!

嵐電北野線を御室仁和寺で下車し、まずは「妙心寺」へ向かいます。すぐ近くかと思ったらかなり歩きました。お隣の妙心寺駅で下車するのが正解だったようです。

妙心寺

開創は1337年 花園天皇が自らの離宮を禅刹に改めたのが始まりだそうです。門をくぐると広大な敷地に一直線に延びた石畳に沿って並ぶ禅宗大伽藍の景観は見応えがあります。
嵐電電車
嵐電電車
御室仁和寺駅
御室仁和寺駅
花園町風景
花園町風景
妙心寺1
妙心寺1
妙心寺2
妙心寺2

重要文化財の法堂には、狩野探幽法眼守信の天井画「雲龍図」があります。その大きさと不思議さに思わず魅入ってしまいます。どの位置から眺めてもこちらを見ているのです。
ガイドさんの説明を聞きながら八方睨みの「雲龍図」を仰ぎ、隅に鎮座している日本最古の国宝「妙心寺鐘」の美しい音をテープで聞かせてもらえます。
妙心寺3
妙心寺3
妙心寺4
妙心寺4
妙心寺5
妙心寺5

「雲龍図」の次にこちらもやはり重要文化財の浴室を見学することができます。
明智光秀が立ち寄ったことから「明智風呂」とも呼ばれ、今でいうサウナ風呂のようになっており、水を流すために工夫された床や水をかける井戸など、当時の様子を知ることができます。
妙心寺6
妙心寺6
妙心寺7
妙心寺7
妙心寺8
妙心寺8

妙心寺には40余りの塔頭があり、その中でも屈指の古刹として知られているのが、「退蔵院」だそうです。
退蔵院には、国宝に指定されている「瓢鮎図」があります。室町時代の漢画の名品として知られているそうです。
退蔵院1
退蔵院1
退蔵院2
退蔵院2
退蔵院3
退蔵院3





【仁和寺】

徒然草や方丈記などの古典に多く登場する仁和寺は888年に創建され、「御室御所」と呼ばれています。重要文化財の朱塗りの中門や五重塔、国宝の金堂などで知られる世界遺産です。
二王門をくぐると左手に御室御所跡を代表する宸殿・白書院・黒書院・本坊など美しい佇まいを観ることができます。
とりわけ、宸殿では白川砂を敷きつめた南庭と池を配し木々に彩られた北庭の美しさに驚かされ、しばし縁側で休みたくなってしまいます。
仁和寺マップ
仁和寺マップ
仁王門
二王門

仁和寺1
仁和寺1
仁和寺2
仁和寺2
仁和寺3
仁和寺3
仁和寺4
仁和寺4
仁和寺5
仁和寺5
仁和寺6
仁和寺6
仁和寺7
仁和寺7
仁和寺8
仁和寺8

朱塗りの中門の奥には、観音堂・金堂・五重塔などが在ります。
観音堂
観音堂
鐘楼
鐘楼
金堂
金堂
五重塔
五重塔




【龍安寺】

1450年創建された大雲山龍安寺。もともとは貴族の徳大寺家の別荘を禅寺に改めたものだそうです。
山門からすぐ見える鏡容池は優雅な趣を感じます。 龍安寺といえば、なんと言っても「石庭」。多くの観光客が縁に腰掛け魅入っていました。
龍安寺1
龍安寺1
龍安寺2
龍安寺2
龍安寺3
龍安寺3

【金閣寺】

修学旅行の定番でもあるあまりに有名な金閣寺は、日本の世界遺産の代表格といえるでしょう。
参道をしばらく歩くと突然目の前に広がる煌びやかな景観!
思わず息を呑んでしまいます。絵葉書よりも美しいその姿にしばし言葉がありません。

その人気振りを証明するかのように写真を撮るのもままならないほどの観光客でした。
金閣寺1
金閣寺1
金閣寺2
金閣寺2
金閣寺3
金閣寺3



帰途は金閣寺前から京都駅行きのバスに乗り込み、もうこれ以上は歩けないと思いながらヘタヘタと座席に座り込んでしまいました。

きぬかけの路を辿っての古寺めぐりは、一日観光にはもってこいなのですが、哲学の道をイメージして出かけた私にとって、その路は少々がっかりしたものでした。
アスファルトの道を歩くのは、その響きの良い名前にはそぐわないような・・・