2025.04 道標 止まり木にする 雀の子
2025.04 朱塗り橋 渡れば遊行寺 春うらら
2025.04 行く春の 道案内は 浮世絵図
2025.04 春昼や 車行き交う 宿場跡
2025.01 ぐんぐんと天色(あまいろ)の空へ奴凧
2025.01 初春のタスキにかける夢の先
2024.10 差し出した 吾子の手の先 いわし雲
2023.12 山寺や 風吹き抜ける 冬隣り
2023.12 冬の夜の シーキャンドルは 人の波
2023.12 帰り道 銀杏落葉で 滑りけり
2023.06 青深き 四葩の頃の 亡母思ふ
2023.06 朝市へ 暑熱順化と 夫連れ
2023.06 梅雨曇り 日がな一日 のらくらと
2023.06 紫陽花や 小さき毬に 光る雨
2023.06 夕虹や 幼き指で なぞりをり
2023.03 思い馳せ 行く段葛 花明かり
2023.03 梅ふふむ あれよあれよと古希になり
2023.03 二人して いそいそ向かふ 植木市
2023.03 御柱(おんばしら)探して 春の雪を踏む
2022.07 そこ此処の 降る雨厳し 戻り梅雨
2020.07 梅雨寒や 一枚羽織りて 家籠り
2020.04 鯉のぼり 半旗でコロナ 弔ふや
2019.08 涼求め 蝉も逃げ込む 万葉路
2019.08 寝苦しき 闇夜にゆらり 烏賊釣り火
2019.08 梅雨冷の 雨後のホームに 傘の音
2019.06 高波を 包み込まんと 二重虹(ふたえにじ)
2019.06 風に乗り 香る白花(しろばな)夏みかん
2019.06 朝凪の 沖の釣り船 五つ六つ(いつむっつ)
2019.02 そぞろ行く 一石一景や 冬の京
2018.12 古宿の 庭先ポツリ 木守柿(こもりがき)
2018.12 粉吹けば 季節うつろふ 柿すだれ
2018.12 雨上がり ふと足止まる 山紅葉
2018.12 眺めれば 波ゆるやかに 月の道
2018.12 旅終えて 一服の刻や 秋深し
2018.04 花落ちて 湯の香と流る 岸辺かな
2018.04 笑い声 絶えぬ吟行 春の道
2018.04 春の日よ 思い巡らす 独歩の湯
2018.04 柔らかき 足湯に風の にほふ春
2017.12 渓流の しぶきに踊る 櫨紅葉(はぜもみじ)
2017.12 冬日射す 柊の実の ごとき頬
2017.12 友と酌む 冬満月を もてなしに
2017.09 空蝉を ふまじと歩く 夕暮れや
2017.09 滝しぶき 濡れる肩越し 風通る
2017.09 ウミガメの 産卵を知る 浜の朝
2017.06 石清水 映す木々の間 鯉流る
2017.06 打ち水に 頭もたげる 路地の花
2017.06 紫陽花の 懐かしき道 影一つ
2017.02 襖絵に 魅入る古刹や 寒椿
2017.02 年の瀬に 錦に並ぶ 京野菜
2016.10 涙目の 孫よ頑張れ 海デビュー
2016.10 浅き夏 冷たき母に 化粧して
2016.06 海光り 夏が来たぞと 町騒ぐ
2016.06 抱き上げて 孫と眺める 遠花火