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別 れ




あまりにあっけない最期だった

それでも私達に一ヶ月という猶予を与えてくれた
気持ちの準備と悔いのない看護の時間を・・・


子供の頃の父との思い出はそんなに多くない

確か小学生の頃、海の家に家族で遊びに行き、
朝早く地引網を皆で手伝った記憶がある

父が 「そーれ! そーれ! もっと引っ張れ!」と
大声を張り上げていたなぁ〜


父と私は、どうも事あるごとに喧嘩をしてきた

性格が似ているからだと言われ、いつもそれを否定し続けてきた

ここ数年は、とりわけ激しい喧嘩を幾度もした
原因は些細なことからなのだが、どうも分かり合えなかった

病状が悪化してベッドにいる時間が多くなるにつれ、
怒鳴る元気もない父に、私は話しかける…

「そんなに弱ったら喧嘩も出来ないじゃない!」
父はほんの少し笑みを浮かべ、小さく頷く

そうして 何かに急かされるかのように、突然 父は逝った・・・


冷たくなった父の頬をさすりながら思う

《 もう 喧嘩は出来ないんだね・・・ 》


でも 私は知っている

サンパウロに居た頃、遠く離れて会えない時期に、
父がどれほど寂しがっていたかを


私は 確かに知っている

どんなに喧嘩をしていても、
父がどれほど私を可愛がってくれていたかを


ありがとう そして さようなら ・・・


by neusa...2009/8/19



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